顧客から「この会社専用の画面がほしい」「毎週この処理を自動で回したい」と言われるたびに個別開発しているB2B SaaS。 Vendoは、そのような顧客別の要望を、毎回プロダクト本体へ新機能として実装せずに扱うためのオープンソース基盤です。
顧客自身が「欲しい画面・処理」を自然言語で伝えると、自社SaaSのAPIや既存コンポーネントの範囲で、再利用できるビュー、micro-app、automationを作れる仕組みを提供します。
Vendoが役立つのはこんな場面
- 顧客ごとのレポート:特定顧客だけが必要とする集計画面やダッシュボードを作る
- 顧客固有の業務フロー:承認、通知、データ更新などをその会社の運用に合わせる
- 定期処理:毎週・毎月の集計やリマインドを自動化する
- 外部サービス連携:顧客が使うGmail、Slack、GitHubなどと接続する
- 細かなUI変更:全顧客向けロードマップに載せにくい要望を個別に吸収する
最大のメリットは「顧客別開発の増殖」を抑えられること
B2B SaaSでは、重要顧客ほど独自要望が増えます。すべてを本体へ実装するとロードマップが崩れ、顧客別の分岐コードを増やすと保守コストが積み上がります。
Vendoは、顧客が必要とする小さな機能を「顧客自身が作れる層」としてSaaSの上に置く考え方です。うまく適合すれば、開発チームは全顧客に価値がある本体機能へ集中しやすくなります。
チャットボットとの違い
一般的なチャットボットは質問へ文章で答えます。Vendoが狙うのは、答えるだけでなく、実際に使える画面や処理をその場で作ることです。
例えば「未処理案件だけを一覧で見たい」という要望に対し、説明文を返すのではなく、その顧客が使い続けられるビューを作る、という違いです。
権限面はどう考えられている?
公式説明では、生成された処理はサインイン中の顧客権限の範囲で動き、危険な操作には承認を挟み、実行履歴を記録する設計です。顧客別カスタマイズを許しつつ、何でも自由に実行できる状態にはしないことが前提になっています。
向いている会社
- B2B SaaSを運営している
- 顧客ごとの細かな機能要望が増えている
- 個別開発やfeature flagが増え、保守負担が大きい
- 顧客の継続利用に効く要望だが、全社ロードマップには載せにくい
- 自社APIと権限設計がある程度整っている
今は見送った方がよい会社
一般消費者向けサイトに単純なAIチャットを置きたいだけなら、Vendoは過剰です。また、自社APIやユーザー権限が整理されていない段階では、先に基盤を整えた方が導入効果を出しやすいでしょう。
料金
2026年10月7日時点の公式料金はFreeが0ドル、Proが月49ドル、Teamsが月499ドルで、Enterpriseは個別見積です。プランとは別に利用量に応じた従量項目があるため、実運用前に公式Pricingで確認してください。
まとめ
Vendoは「AIを付けるためのツール」というより、B2B SaaSが顧客ごとの細かな要望をすべて自社開発し続ける問題を減らすための仕組みです。顧客別カスタマイズが売上維持に重要なのに、個別開発で開発チームが疲弊している会社ほど検討価値があります。
